対応が圧倒的に速い会社のはんこ、それは会社経営を続けていく限り、ずっと使っていくものなので会社にとって、とても大切なものです。

そんな会社の印鑑ですが、「なんとなくはんこ屋に行って、なんとなく言われたとおりに買っている」そんな人が多いのが現状です。

素材によって会社の印鑑と一言で言っても、「手彫りなのか機械彫りなのか」、「材質は何を選んだらよいのか」などしっかりと見極めなければいけないポイントがあります。

当事務所では、今まで会社設立時だけでなく派遣許可や古物商許可など各種手続でこれまで500社以上の会社の印鑑を見てきました。

とても押しやすい印鑑もあれば、押しにくくて綺麗に押せないものもありました。

ここでは、そんな経験をもとに会社の印鑑の失敗しない作り方をご紹介します。

 

会社の印鑑に関する基本知識
会社の印鑑は3種類ある

手彫り?それとも機械彫り?(それぞれのメリット)

素材(柘、黒水牛、象牙、その他多数)選びも大切

1.会社のはんこ(印鑑)は3種類ある

会社の印鑑は、一般的に3種類ありますので、その種類を確認していきましょう。

1.会社の代表者印(絶対に必要)

会社の代表者印会社設立で必ず作らなければならないのが、「会社の代表者印」です。

個人に実印があるように、法人も実印を登録するのですが、この「会社の代表者印」が「会社の実印」になります。

契約などに使用する一番大切な印鑑です。

 

 

2.会社の銀行印

会社の銀行印個人でも銀行口座を作る際には銀行印が必要になるのですが、それは会社でも同じです。

そのため、「会社も銀行印」を用意する必要があります。

上記の「会社の代表者印」を流用することもできますが、安全面を考えると別に用意することをお勧めします。

 

 

3.会社の角印

会社の角印会社の領収書や請求書などで使用する印鑑が「会社の角印」です。

絶対に必要というわけではありませんが、見た目の良さや業務での利便性を考えると、あった方がいいです。

やはり会社の領収書と言えば角印です。

 

 

4.会社の住所印・ゴム印(おまけ)

ゴム印上記の他に、あると便利なのが会社の住所印です。

会社を運営していと、何度も住所や会社名を記載する場面があります。そのたびに、ペンで記入していくのは非常に手間ですし、時間の無駄です。

そんな時に、会社の住所印があればすぐに解決!値段もそれほど高くないので作成することをおすすめします。

 

はんこ屋さんに行くと、会社印3点セットというものが用意されていることがほとんどで、このセットがおすすめです。

組み合わせはお店によって若干異なりますが、基本的には「代表者印、銀行員、角印」の3点で、個別に購入するより安くなります。

 

2.手彫り?それとも機械彫り?

労働・社会保険も相談・依頼ができる会社の印鑑を作成する際に特に注意していただきたいのがこの「手彫りか機械彫り」です。

今はインターネットでも激安の業者が増えていますが、そのほとんどが機械彫りです。

 

機械彫りが悪いというわけではありませんが、そのメリットとデメリットをしっかりと理解したうえで発注してください。

 

ここでは、あくまで当事務所の主観ですが、今まで数百社の印鑑を見てきた経験からその特徴を記載しました。

手掘りのはんこ(印鑑)について

手掘り印鑑の特徴
  • 文字の線がとても細くて、偽造が非常に困難
  • 押印したときの感触がやわらかく、きれいにくっきりと押すことができる
  • 文字のデザインも手作業で行っている場合はさらに偽造されにくい
  • 機械彫りに比べて料金が高い

今まで、当事務所では、業務上数百社のはんこを(社長の前で)代わりに押してきました。

今の時代、ほとんどの印鑑が機械彫りなので、押し具合はいつも同じですが、たまに印鑑を押した瞬間「ん?なんだこの押しやすさは!」と感じるときがあります。

その時、社長に確認すると、必ずと言っていいほど手掘りのはんこです。

また、機械彫りだとどうしても文字の線を細くするのに限界がありますし、文字の作成もパソコンで行うので同じものが簡単に作成できるので偽造される可能性が高くなります。

しかし、手掘りであれば職人さんの技術次第で、本当に細い線で文字を掘っていくので簡単には偽造することができません。

こだわり派の方には、この手掘り印鑑をおすすめします。

機械彫りの印鑑について

機械り印鑑の特徴
  • ネットで探せばとにかく安い
  • 品質にばらつきがでる場合がある(個体差で押しにくい場合がある)
  • 文字のデザインもパソコンで行っているので偽造されやすい
  • 手掘りに比べると、文字の線が太い
  • ただし、実用性に問題があるわけではない

今は、インターネットで探せば本当に安く印鑑が手に入ります。

一部の激安業者を除けば、品質も悪くなく、普通に問題なく使用することができます。

しかし、手掘りとの違いはやはりあります。やはり機械では職人さんの細かい仕事にはかなうはずもなく、捺印性の違いや偽造の危険度に違いがあります。

値段は手掘りに比べると安いので、上記のデメリットを考慮して選択することになります。

印鑑の素材次第では長く使うことができますので、コストパフォーマンスを重視する方は、機械彫りを選択するというこもよいと思います。

3.素材(柘、黒水牛、象牙、その他多数)選びも大切

会社印を作成する際に、手掘りか機械彫りというのもとても大切ですが、印鑑の素材選びも重要です。

素材によっては、取り扱いに注意が必要なものもありますし、若干脆いものもあります。

素材によって、印鑑の外見も違うので好みが分かれますし、捺印性能も違います。ここでは、代表的な素材とその特徴を紹介しますので参考にしてください。

種類 耐久性 おすすめ度 ひとこと
柘(つげ)

あかね

対応が圧倒的に速い
2 1 安いけど若干脆い
本柘
(ほんつげ)

対応が圧倒的に速い

3 6 会社印のスタンダード
対応が圧倒的に速い
3 6 木目が綺麗。本柘とどちらを選ぶかは好み
アグニ
対応が圧倒的に速い
6 8 人口素材だが木目がきれいで、耐久性に優れる
彩樺
対応が圧倒的に速い
6 8 人口素材だが木目がきれいで、耐久性に優れる
黒水牛
対応が圧倒的に速い
7 8 値段と耐久性のバランスが良い
オランダ水牛
(牛角)
対応が圧倒的に速い
8 6 耐久性が高いが値段も少しだけ高い
象牙
対応が圧倒的に速い
9 6 素材はピカイチ!値段はとても高い
チタン
対応が圧倒的に速い
10 6 金属なので半永久的に使えるが、値段が高い

※耐久度は、お店によって品質の違いがありますので、およその目安です

※お勧め度は、値段と品質のバランスで当事務所が主観でつけています

 

確実に言えることは、いくら値段が安いからと言って、「柘(つげ)」を選択するのは避けましょう。

どうしても耐久性の問題で、使っていくと縁が欠けることがあります。(実際にそのような現場を見たこともあります。)

会社設立代行の際に、会社印を無料プレゼントとうたっている所がありますが、多くの場合、「柘」のようなので注意が必要です。(すべてがそうではありませんが)

まとめ

  • 品質重視なら老舗の印鑑屋で手彫りがおすすめ
  • コストパフォーマンス重視ならネットで機械彫り
  • 素材は「柘」は避ける。「本柘」以上を選択する
  • あとは値段と耐久度のバランスで選ぶ

ハンコ屋のネットショップ紹介

上記を考慮した結果、値段を重視してネットで買う場合、どこで買って良いか迷うかもしれませんので、一部ご紹介します。