「資本金」とは、会社のお金のことで、会社の信用を表すものです。

現在では資本金1円で会社を作ることもできますが、安易に資本金1円で作るのではなく、その後の会社運営のことも考えて決める必要があります。

1.資本金の決め方

対応が圧倒的に速い資本金は、最初に開業資金として用意するものです。

最低でも設立後の経営に必要なお金(テナント料金、許認可取得料金、設備の費用、人件費など)のことをしっかりと考慮して決めましょう。

 

あまりにも小さな金額にすると、上記のような経費ですぐに債務超過となってしまいますし、後から増資手続きをすると、余計な費用がかかってしいます。

そのため、必要な経費をしっかりと把握して資本金を決めることが大切です。

 

また、新規の取引先を開拓する際にも資本金は一定の信用効果があります。

例えば、設立したばかりの資本金1万円の会社と資本金300万円の会社が同時に取引の依頼に来たとしたら、どんな印象を受けるでしょうか。

 

資本金1万円??と疑問に思われる可能性がすごく高いのは簡単に想像できます。

 

更に、融資を受ける場合は、資本金の額があらゆる面で影響を及ぼします。

自己資本と資本金で融資額が大きく変わるのは言うまでもありません。

 

融資を受けることができる可能性、金額、信用などその影響は非常に大きいものです。融資を受ける予定がある場合は、特に注意して決める必要があります。

2.現物出資

労働・社会保険も相談・依頼ができる原則として資本金は現金で用意しますが、「モノ」で出資する現物出資という方法があります。

パソコン、車などの動産や建物などの不動産がそうです。

500万円未満の現物出資であれば、「モノ」の評価額は取締役・監査役が調査して決めますが、決めた金額が実際より低い場合は、調査した取締役の責任になりますので注意してください。

500万円以上の現物出資の場合は、弁護士や公認会計士などに「証明」をしてもらう必要がありますので、その分費用がかかってきます。

また、不動産を現物出資した場合には、「証明」にかかる費用に加えて、出資者と法人に税金がかかったりします。

※そのため当事務所としては、なるべく現金で出資することをおすすめしています。

3.資本金の額を決めたら1株の価格を決める

電子定款で4万円節約資本金の額が決まったら、次は1株の価格を決めます。

一般的なのは1株5万円ですが、自由に決めることができます。

感覚的に分かりやすいのは1株1万円で、資本金が300万円だったら、設立時の発行株式数は300株となり分かりやすくなります。

単純に、融資も受けない、経営は家族経営で個人事業の延長で、外部への信用は特に関係ない場合、資本金の金額はそれほど重要ではありませんが、それ以外の場合は、上記のようにしっかりと考えて決めましょう。